menu

パズル一番町

東京都千代田区一番町10-8 一番町ウェストビル5階

TEL.03-3556-1040

【たけブロ Vol.16】伝え方。

こんにちは。パズル一番町運営会社、株式会社アンビシャス代表の小川猛志です。
またしても台風19号が猛威をふるい、日本各地に被害が出てしまいました。幸い僕の東京の自宅は無事でしたが、各地の被害をニュースで見ると胸が痛みます。一日も早い復旧を望みます。

 

みなさんは「伝言ゲーム」という遊びをやったことがありますか?複数の人が一列に並んで、先頭の人がある言葉を横の人に耳打ちし、また次の人にも耳打ちでその内容を伝えていく、というのを繰り返し、列の最後の人までたどり着いたとき、先頭の人が最初に伝えた言葉と最後の人が聞いた言葉がどれだけあっているか、というのを楽しむゲームですね。

これ、意外と最初の人の言葉が正確に最後の人までつながらないことが多くて、結構面白かったりします。ゲームとして遊びでやっていると、その言葉の変化を楽しむことができますが、いざ、これがビジネスなど大切な場面になってくると、笑っていられない状況になったりします。

仕事上、なにか伝達事項があって、その最終伝達目的地まで介在者が多い場合、ニュアンスが少しずつ変わって伝わってしまう、なんていう経験も皆様の中にはご経験があるかもしれません。「伝える」って、意外と難しいことですよね。

僕もコンサルティングという仕事をさせて頂いている手前、「伝える」ということに関してはものすごく気をつけています。コンサルティングのご提案をするときに、どのようにしたら相手にわかりやすく伝わるか。この能力こそが、コンサルティングという仕事でいちばん大切な要素であると言っても過言ではないかもしれません。

日本と台湾両方でビジネスを進めているとき、更にこの伝達はハードルが高くなります。日本語から中国語、中国語から日本語の「翻訳」というステップが入るからです。しかも、ただ字面を「直訳」しただけでは、ビジネストークにおいては伝えたいことが全然伝わらないということがかなり多くなります。それぞれの国の文化、表現方法など背景をある程度理解しながら翻訳して伝えないと、相手方に自分の本意が伝わらないということになってしまいます。

日本語同士でも、違う言葉でのコミュニケーションでも、いちばん大切なことは「わかりやすく、シンプルに」伝えることだと思います。専門家と呼ばれる人たちでありがちなのが、普通の人にはよくわからない専門用語を羅列してマシンガントークしてしまうという例。聞いている相手は、何を言っているかチンプンカンプンです。笑
あとはやたらと横文字を使う人。実際にとある企業の代表者メッセージで、こんな文章を読んだことがあります。

“今では誰もがSNSを利用しています。
我々のアセットでもあるナレッジ化されたコンテンツ・マーケティング戦略は、更にドライブさせる事で世の中に多様なインパクトを与えられると信じています。さらに社員ひとりひとりがポリバレントプレーヤーとして活躍する事により確立されたリスクヘッジメソッドは、他業種とのアライアンスを積極的に結ぶ事で効率化を図り、いずれ社会におけるデファクトスタンダードとなっていくと確信しています。”

もう、何を言っているのかわかりません。笑

自分のことをしっかりと的確に第三者に伝達したい場合、エゴ脳ではなかなか相手に本質を伝えられません。
伝えたい相手に何を伝えたいか、そして相手にはどのように伝えたら理解してもらえるか。常に相手の立場に立ってコミュニケーションを取ることが何よりも大切ですね。

その他にも伝達で大切なことは、事実に基づかない情報を鵜呑みにしたり、人づてで聞いたことを事実確認せず第三者に伝えてしまったりしないことです。それをやってしまうと、ただの「噂好き」人間になってしまいます。根拠のある内容をわかりやすく伝える。それがキレイな「伝達」です。

先日、とある台湾人の友人から、「日本語の話し方の先生になってください」と依頼をされました。日本語検定1級も持っているし、日本人と遜色のない日本語を操るその友人に、「なぜ?」と聞いてみたところ、「小川さんの会話や伝え方がとても分かりやすくて、私も日本語で小川さんみたいにわかりやすい話し方を学びたいから」と話してくれました。僕は昔コンサルティング会社に勤務していた頃、話し方については相当鍛えられましたので、多分その時の成果が今になって形になったのかもしれません。笑

自分の伝えたいことを伝える。それって、相手のことをどれだけ思いやれるか、なんですね。簡単なようで難しい。だからこそ、日々の意識付けが大切。そう思いながら、台北オフィスでブログを書きました。
では、本日のブログはこのへんで。それではまた!

2019年10月16日 台北オフィスより 小川 猛志